今から400年ほど前に、朝鮮半島に名医がいたことは前述しました。
名著・東医宝鑑を著した許浚(ホジュン)です。
韓国ドラマ史上、最高視聴率を叩き出し、そして後の韓流ブームのきっかけになったのがドラマ東医宝鑑です。
日本でもNHKで放映されたので、ご覧になった方も多いと思います。
ドラマの中でホジュンや師匠のユ・ウィテが診察するときに、脈をみたり舌を診たりしたのをおぼえておられますでしょうか?
現代の医師は、血液検査やレントゲンをはじめとして検査機器に頼りますが、昔は手で触り病状を判断したり、脈や呼吸をみて病の軽重を判断していました。
昔の医者は王様の治療を失敗したら、そのまま死刑でした。
それに比べれば、現代の医者は楽なものです。
医師が患者に薬を渡す事を、
薬を与えると書いて与薬と言います。
あるいは投薬すると言います
薬を与えるあるいは薬を投げる、
不思議な表現ですね。
そう思いませんか?
医者の方が患者より偉いものだ、と思っている、
あるいは思ってもらわなければ
術が効かないと言うことです。
逆に言えば
ありがたがった方が、治療効果もあがります!
ということです。
昔ヨーロッパでも、
王様や貴族が
患者の額に触れただけで
寝たきりの方が感激のあまり
歩き出した例が報告されています。
これをローヤルタッチといいます。
イタタタ!
とか悲鳴をあげるようなきつい刺激は
患者さんの心と身体に緊張をもたらすので
ローヤルタッチはできません。
私も疼痛で苦しむ患者さんを
ローヤルタッチでケロリと治せたら
どんなにいいだろうかと、
何度も思ったことがあります。