去年の全英女子ゴルフで優勝して
一躍国民的アイドルになった
渋野日向子
今年は2連覇の期待がかかっていたがあっけなく予選落ちしてしまった。

渋野は肉体改造に励みパワーがついた。
ドライバーのシャフトを硬いタイプに替えている。
筋力をつけたりすると、関節の可動域が狭まり、スウィングも硬くなってしまう。
天真爛漫な気持ちとアプローチやパターなど柔らかなタッチが消えたのではないだろうか？

元賞金女王だった村口史子は＜今の彼女に外野があれこれ言わないことこそ大事なんじゃないか、と言ってる。

渋野日向子は「5つのメジャーを全部勝つ」という大きな目標も掲げている。

このコロナ禍のオフ、外国勢に負けないために、パワーアップをはかり、スイング改造に踏み出した。

一朝一夕でパワーアップとスウィング改造がかみ合うものではない。

ただ、渋野日向子の場合、対戦相手は他人ではない。
小さい白球に己の気持ちを込め、天空とフィールドに己の芸術を発現するようにしてもらいたい。
 

ここに、ハンマー投げの室伏広治が現役時代、
大切にしていた言葉を贈りたい。

君の対戦相手は

無限の蒼空と不動の大地だ！
​​
​​現役時代の室伏広治が
ずっと大切にしてきた言葉だそうだ。

身体教育研究所の
野口裕之が
玉川学園の小原芳明学園長の
言葉を引用して
彼に送ったものである。

メダルを取るとか世界陸上で新記録をだすとか、
もうそういう小さいことを目指すのはおよしなさい。

広い空と大きな大地を相手にしなさい。
大自然の中で自分の競技をもっとおもいきり楽しみなさい。

不動の大地を力強く踏みしめて、
大空にハンマーを飛ばす喜びを追求しなさい。

室伏広治はこのアドバイスを受けて
肩の力がすーっと抜けたそうです。

この言葉は
彼が無名の時に聞いたのではなく
アテネで金メダルを獲ってからの
アドバイスです。

世界の金メダリストに対して
畏れ多くてなかなか言える人は少ないでしょうが
素直に聞いた室伏広治も
立派だと思う。
 

この言葉は、そのまま渋野日向子に当てはまる。
パワー豊かな外国勢が相手なのではない。
地球にも見立てられるあの小さな白球を、無限の蒼空に打ち出す喜びをかみしめながら、フィールドを歩いてもらいたい。
 

大地と一体となった時、渋野日向子はメジャー５大タイトルを自然に獲得しているだろう。